はじめに・・・・
In cosmetics Global(以下インコス)というのは、世界最大の化粧品”原料”の展示会。
インコス韓国やインコスアジア(毎年タイ)、インコスラテンアメリカなどなどもあるけど、一番大きくてみんな力を入れるのはヨーロッパ開催のグローバル。
世界各国の化粧品原料会社がこの日に向けて新しい原料をローンチしたり、この展示会で賞をとることにコミットしてる。
いわゆる「基材」と呼ばれる化粧品の骨格をつくる乳化剤やポリマー(増粘剤)等から、有用成分(海外ではアクティブと呼ぶ)まで様々出てくる。
主にミストラルが注目するのは、アクティブ原料。
うちはなるべく界面活性剤を塗りっぱなしにしたくないから、乳化物の製品が少ないしね・・・
前回の現地参加は2019年のパリ・・・・実に4年ぶり!!
いや~~~3日間あっという間すぎて、大変疲れましたがたくさんの人と会えたし、企業訪問などもできてとても有意義でした!
ざっくり感想などを書き連ねておきます。
どちらかというと自分のために備忘録ですが・・・
2023年の傾向
なんとなくの流行りがわかる、まずはイノベーションのノミネート成分をみてみると・・・
ん・・・・!?
「バイオーム」的な名前の原料が多いので、常在菌系が多い!?となんとなく予測。
このように、化粧品原料の「名称」からなんとなくその原料がアプローチするものがわかったりします。
(名称とは「あまおう」みたいな感じで、各社が独自につけたブランドネームで、全成分になると「いちご」になったりします。有名なアルジレリンなんかも原料の名称であって全成分名ではない)
いや~常在菌なんてね、2018年でしたか?やたら多くて。
次世代シーケンサーっていう菌の遺伝子を解析できる手法が広がって、2018年にドバッっと常在菌関連の原料が出てきました。
ちなみにミストラルは創業当時から皮膚常在菌には注目してて、もちろんほとんどの原料触ってみたけど、結構ね・・・難しかった(笑)逆にニキビできたり、防腐が効かなくなったり(笑)だから常在菌の原料はずっと変えてない。
なんかでも今年はヘアケアも多くて、そっちに絡めた菌系も多かったような。
実際現場でウロウロしてみると、脳皮膚相関というか、ストレスや寝不足が皮膚にもたらす悪影響をいかにして防ぐか・・・みたいなニューロコスメっぽいのが進化してた。
実際に睡眠の質を測定するデバイスやAIも進化したし、データのとり方も広がった感じで。
でもニューロコスメ自体は実は2017年ぐらいからキテる考え方。まぁ日本では薬機法の関係で、まったく訴求できないので一般的にそんな原料があることすら知られてないとは思うけど、ミストラルの製品にもコルチゾール(ストレス)ケアの原料使ってるしね・・・
傾向としては「アンチエイジング」みたいな言葉は影をひそめて、「ウェルビーイング」的な健やかな生活が一番だよネ!!!それが皮膚の健康にもつながるジャン!!という訴求がグンと増えたように感じました。
新コロ蔓延によって、より健康という財産のありがたさをしみじみ感じる今日この頃ですね・・・
ちなみに、抗加齢医学会なんかに出てると盛んに出てくる老化細胞だけを除去する「セノリティクス」という考え方も化粧品原料世界にも結構出てきました。
老化細胞って化粧品の世界だと「ゾンビ細胞」とか呼ばれたりしますが、分解されずにそこにずっといながらSASPと呼ばれる炎症物質を出し続けるやっかいもの。
まぁ老化するだけで炎症が起きて、その炎症がまた老化を進めるといういわゆる悪循環ターンに入るっていうね。
なんだけど、この老化細胞だけを除去するっていうのが難しいんですよ。当たり前だけど。
で、化粧品の世界でもβガラクトシターゼあたりのデータとってるのはちらほらあるんですけど、そこからどう進めるかっていうのがポイントなんです。
そうじゃないと、結局オートファジー活性上げればある程度ええやん・・ってなるから。
(ご存知の通り、ミストラルはオートファジーにコミットしまくってる)
今回セノリティクス関連だと、NK細胞(ナチュラルキラー)に着目してた原料があってそれはかなりイノベーティブだな!と感じた。
というか、有識者はみんなNK細胞原料がすごい!って言ってたのに、賞には入らないというね・・・まぁこういう賞ってほんとスポンサー忖度だよね(小声)
ということで、早速帰ってきてからいろいろ関連原料の資料あたったり、論文みてみたりしてますが、結局ミストラルとしての・・というか私の細かいアレはダメ、コレはダメにひっかかりまくってます・・・(笑)
化粧品原料だけでなく全ての事に言えるけど、ひとつの角度からみて良くても、別の角度から見るとダメだなぁっていうことがあってね・・・
ヘパリン類似物質なんかも、やっぱり副作用の「赤ら顔」が本当にネックじゃないですか・・・
(赤ら顔に悩んでる人、使ってないですよね!?)
あーあと、マーケティングセミナーは本当に少ししか出なかったけど、トレンドとしてパーソナライゼーションっていうキーワードが減った。
完全なる個人向けは企業顧客共に現時点でメリットがあまりないっていう事にみんな気づいたのかもしれない・・・
とりあえず、マーケティング会社ミンテルブースの写真をのせておきます。
各社のブース変化がすごかった!
もうサステナブル!地球にやさしく!がテーマすぎて、各社のブースもめっちゃ樹の素材&緑を使ってた。
床なんてほんとにみんな木目。
これまで最先端~!!!みたいな雰囲気醸し出してた超化学メーカーですら、木と緑。
ナチュラルな雰囲気。
あと、コロナ前のインコスってすごーくクローズドなブースが多くて、大々的にパネルが貼ってある会社も少なく、アポがないと中にも入れない、話も聞けないみたいな感じだったけど、パネルだけでなくipadやサンプル製品などがオープンに展示してあって、ふらっと立ち寄りやすい雰囲気になってましたね。
最後に
皆さんご存知の通り、ミストラルは海外の化粧品原料をとても多く使用しています。
医薬部外品・化粧品のようなくくりは日本独自のものなので、海外の原料を自由に使おうとすると、制約の多い医薬部外品ではなく、化粧品分類の方がやりやすいので、ミストラルでは医薬部外品はやらない方針でやってきました。
その代わり、化粧品の効能「潤いを与える・ハリを与える」ぐらいしか言えないのですが(苦笑)
これだけ私が学会に出て、自分の脚で海外におもむき原料調達しているのを見れば、いかにミストラルが狂ったブランドかわかっていただけるかと・・・
自分のために!たとえ効果を訴求できなくても!いい原料を使いたい!!という想いが詰まってるのがミストラルです。
今年は、2年に1度の日本での化粧品原料展もありますので、とても充実した1年になりそうです!!!
最後までお読みいただきありがとうございました~
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