化粧品業界における最高峰学会IFSCC2023＠バルセロナ、今回日本企業がめちゃ快挙だったよ！っていう話をしたいんですけど、もう今回初っ端のオープニングセレモニーからひどくて。まずは文句言わせて。
ミシュラン2つ星のシェフの写真が載ってるからみんなでウキウキしてたんですよ。
なのに蓋を開けてみたらウェルカムドリンクもなしで会場に入って、料理のデモンストレーションを1時間強見させられるという空腹生殺し苦行オブ苦行が繰り広げられ、その後の立食歓談で「いやさすがにあんだけデモ見させられて、あのシェフ絡みのものが出ないとかありえないだろ～」と思ったのに出ない。まさかのお預けミシュランセレモニー。ハ？？
個人的にはスペインなんだからフラメンコはどこかでやるだろ・・・と思ってたわけですよ。
だって自分の国の文化を持っておもてなしするのはどの国もやるからさ。
で、オープニングセレモニーでやらないなら、ガラディナーでやるのかな！んも～もったいぶっちゃって！！！
と思ってたのに、ガラディナーでもノーフラメンコ。嘘でしょ。
スペインらしく21時から始まったガラディナーで、ひたすらによくわからない歌を歌われ、陽キャが輪になって踊り始めたところですでに23時。
「パトラッシュ・・俺はもう疲れたヨ・・・」状態で、もう初めてアワード発表聞かずにさっさと帰ってきてしまい、日本の栄光を共有することができませんでした。
まぁ化粧品の世界では世界最高峰の学会ですから、ここでの受賞は大変な栄誉です。
気になる方はこの記事がよくまとまってるので見てみてね↓
https://cosmetic.mukogawa-u.info/visiting_professor/post-2260/
で、手っ取り早くまとめます。
やっぱりアンチエイジングよりも、心身の健康「ウェルビーイング」
肌だけじゃなく五感でビューティーを科学する時代に。
あとストレスをどうマネジメントするかは永遠の課題・・・
一番の美肌の秘訣は「退職」や「離婚」かもしれないけど、そんなことは言えないポイズンだから困るよね☆
AIとかビックデータ活用みたいな技術革新の波は化粧品業界にも
けど、こういうのって単純作業が置き換わっていくと思いきや属人性が高かった、つまり職人の伝統芸みたいな感じで伝承されてきた処方設計なんかを簡略化しようみたいなところに使われようとしているのが面白くて、実際に釜でせっせと化粧品作るような泥臭い仕事の方が人に頼らざる負えなくて最後まで残るような気がしてきた。
in cosmeticsでもそうだったけど、ヘアケアのネタが多かった
ぶっちゃけほとんど聞いてないんだけど、ファイナリストになったミルボンの「タケノコの皮エキスとトウキエキスでバリ髪伸びます」って話は希望があった。
ミルボンさんと「大手のカラーシャンプー染まらねぇっす」って話してたら、どうやら大手の基準って「爪が染まらないように調整」するらしくて、なるほどなと・・・。大手の製品がなんとなくマイルドになるのはこのように全方位に気を配っているからなんだな・・と改めて感心。
「・・・でも、爪が染まるのは許してくれ・・・！！！という気持ちで作ったカラーガジェットという製品は染まるから是非」って言ってて面白かった。
ミルボンの人、いつもおしゃれで面白いんだけど一緒に写真撮ってもらって「SNSとかに載せないから安心してください」って言ったら「全然のせていいですよ！僕、フリー素材です！」と言ってたのが最高でした。好き。
コーセーからすんごいシワケアスティックが出る模様
これね、人のどの部分にシワが入ったら老けて見えるかっていう印象調査をしたというのがもとになってるんだけど、「おでこ」にシワが入ると一番老けてる！という印象になるらしい。
・・・・・デコのシワさぁ・・・ボトックスでも調整難しいじゃん・・・私、デコのシワは結構苦戦していて、あーツライ。
前髪で隠す戦法に出るにも今度は前髪と後ろ髪の境目に白髪がすごいし、もう老いから逃げきれないでいます。
みんな・・・強く生きような。
アワードを受賞した資生堂の「白浮きさせない日焼けどめ技術」は本当にすごかった
いやこれ魔法かな？↓
https://x.com/mistral_mariko/status/1699779897936466429?s=20
最近日焼け止め界隈では、この白浮きを逆手にとって「トーンアップ」なんて言ってますけど、いわゆるノンケミカル日焼け止めで見られる「白浮き」をなくす技術。
実際の製品に搭載されるのは少し先になるという話だったけど、アネッサもさ～ノンケミなくて、資生堂グローバルの方でしかないのよ。（パーフェクト ＵＶプロテクション Ｓ）
これは期待したいよね～～～～
RFの効果を家庭で・・・に挑む資生堂
こちらもファイナリストのポスターネタ。
みんな、最近ちょ～流行りのニードルRF（ポテンツァやシルファーム）が老化細胞除去できるっていう話は知ってるかな？？？
あ、老化細胞について簡単に話すと、本当は機能不全になった細胞っていうのはお掃除されるんだけど（これがオートファジーやプロテアソーム）そういうお掃除を回避して、そこに居続けるゾンビみたいな細胞が出てくるわけ。年取ると。
で、そこにいるだけじゃなくて、周りに炎症物質（SASP）を出しまくって、周りにも悪影響を与える。
金八先生でいうところの腐ったミカンね。
当然老化細胞をなくしたいわけだけど、周りには健康な細胞もいるんで、老化細胞だけをなくすっていうのが結構難しいわけ。
これは当然肌だけじゃなくて、身体全体に言えることで、それがアンチエイジング界の大きな課題「セノリティクス」です。（ほ～らあなたもこれでセノリティクスについて語れちゃうね♪）
で、色素沈着皮膚には、老化した線維芽細胞の割合が増加していて、RFあてると老化した線維芽細胞が除去されて肌白くなるよっていう報告が韓国のグループから上がっててですね。（たぶんこれ）
ニードルRFはなんかマックームとか薬剤ぶちこまないと意味ないと思われてる節があるけど、個人的には、RFが出る事で毛細血管焼くから妙な赤みとかもなくなるし、老化細胞の除去もされるっていうのが一番のメリットかなと思ってる。痛いけど。
で、前置き長くなったけど、そんなニードルRFの効果を美顔器とエキスでどうにかなんないかな～って調べたヨ。っていうのが資生堂のポスターで、資生堂ってヤーマンと会社作ったんですけど、どうもそこでラジオ波が出る機械があるようなんですよね。
で、オタネニンジンエキスを塗ってラジオ波あてると美白効果があったよ～(シャーレ上で)っていう話。
オタネニンジンエキスってまぁ韓国のお家芸というか、もう薬のような扱いなんだけど、小池さんに「へ～でもなんかオタネニンジンってメラニン増やすみたいな文献もみたことあって、なんか扱うの怖かったんですよね・・・」って言ったら
「・・・え・・・そんなことも調べてるの・・（怖）でも、エキス単体で美白するっていう文献もあったりして、で調べてみたら実際にエキスだけだとあんまり効果はないんだけど、ラジオ波と合わせると効果があって・・・」とおっしゃってた。
面白いね。
資生堂の皆さんに「いろいろ知ってて怖い。知ってる研究者も大物ばかりだし・・・」って言われたのが今回の大会のハイライトかもしれん。
出ていてよかったあらゆる学会！通っててよかったIFSCC！（今となっては、まるっと100万の学会デス）
まぁご覧のように、大手の化粧品会社は美容医療をどうやったら痛くなく、家庭で再現できるかな～とかそういうことに結構コミットしてるんですよ。
私からすれば、デコのシワはボトックスすればいいし、老化細胞はニードルRFすればいいし、マンダムさんがアワードとった汗を抑える技術とかもまぁボトックス打てばいいじゃん・・なんだけどね、みんながみんな美容医療にアクセスできるわけでもないし、普通に針怖いよね・・とかもあるだろうし、そこに寄り添っているのが大手化粧品会社なんですよ。
だもんで、化粧品は一般的に効果があってはいけないものみたいな扱いになってますけど、実際そんなことはないし、大々的に「言えないだけ」でこんだけいろいろ研究してますんで、そこんとこよろしくお願いします。
さて、個人的には最終日の「ナチュラビゼ（スペインきっての高級スキンケアブランド）」への企業視察がとても楽しみで。
写真をまとめたリールがあるのでよろしければ是非↓
https://www.instagram.com/reel/CxDRzpNSLCy/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
いや～ナチュラビゼと言えばね、塗るボトックスとして有名なアルジレリンってあるじゃないですか？
それにアミノ酸2個さらにくっつけた「SNAP-8」っていうペプチドがあって、それがナチュラビゼの留め型（専売）だったんですけど、それがフリーになった時にスカイフックに入れてたんですよ。ほーらミストラル、キモイでしょ？
（今はLIPO TRUE社のムナプシスっていう表情筋対策ペプチドに切り替えた）
ナチュラビゼも昔伊勢丹に入ってた時、ハニーボディスクラブっていう製品がめちゃ良くてね～
っていう話を副社長にしたら「知ってんの！？」って驚かれました。オタクを侮らないでくれ。
さて、来年はこのIFSCC、まさかのイグアスの滝での開催なんですよね・・・
地球の裏側すぎる。
ということで、所感でした！！！
